「べ、別に謝ることねぇーよ。

と、友達くらいなってやるし。」


「えっ、ホントですか?」



嬉しくて、少し声が大きくなってしまった。

それぐらい嬉しい。


アーサー先生の手を掴んで、ありがとうございますを連呼する。



「3人で友達ー!」



ルージュさんが私とアーサー先生を腕で抱き締める。



「んがー!やめろぉーー!!」



こんなこと前にもあったな。


あの時抱き締めてくれたのはお父さんだったけど。



溢れそうな涙を髪で隠して笑った。











「いってらっしゃ~い!」


「行ってきます!」



朝食後、マントを羽織ってお金だけ持ち、買い物に出た。


制服や文具、教科書等買うらしい。



昨日の夜とはうって変わって、ヘルヘイムほどではないが人がいる。



「羽根ペンは持ってるんだよな?

じゃあ時間掛かる制服から行くか」


「はい。」



先生について歩いていくと
扉の上にTシャツで出来た旗が立ててある建物に入っていった。


中は窓からの明かりしかない。

そして人の気配もない。



「すみませーん」



きょろきょろする私とは対照的に、アーサー先生は仁王立ちで店員を呼ぶ。


すると、パッと灯りが点いて店内がオレンジの光で照された。

ごっちゃりと物がたくさんある店内。

中央には階段があって二階に繋がっている。



「奥で仕事していてな。お待たせしました」



階段を下りてきたのは、丸眼鏡が特徴的な白髪のおじいさん。



「ワブフォードの制服を注文したいんですけど」


「うむ。この時期とは珍しいの」



階段の最後の段を下り、手近なところをごそごそし始める。


取り出したのはメモリの付いたリボンと長い定規。



「採寸するからその台に乗って頂けるかの、靴とマント脱いでな。」


「はい。シーファ、ここ乗れ」



背中を押されて乗った台は丸くて切り株みたいだ。


マントを外してブーツを脱ぐ。

マントは畳んでブーツと並べて床に置いた。