絆の軌跡




「あは、あはははははははっ!!」



午前6時30分。


カウンター席でルージュさんに昨晩の話をすると、涙を滲ませながら大爆笑。


そんなに面白い話かと頭を捻る。



「ふー…ふふっ。

あー!こんなに笑ったの久しぶりだわ」



ひーひーと荒い息で、涙を拭う。



「そっ、そんなに可笑しいですか?」


「うふふっ、だって…どうして夫婦だって思ったの?」


「すごく、親しそうだったので…

最初は親子かなとか思ったんですけど、髪とか似てないし…と。」


「なるほど…でも、親しいだけで?」



色が着いた液体を混ぜながらクスクスと笑う。



「恋人とか、お友達とかあるじゃない?」


「恋人…?友達ってルティナみたいなですか?…あ、ありがとうございます。」



目の前に置かれたのはさっきの液体。


透明な緑色で、グラスの淵にはフルーツがかけてある。



お子様用のカクテルよ、と教えてくれた。



「恋人ってのはそうね…夫婦の前段階ね。

んー、友達はまぁ動物とも友達になれるけどね。普通は人間同士を言うわ。

いない?友達。」


「人間同士…」



答えに詰まる。

そもそも家族以外ふれ合いがなかった。


エルンダムさん達はお隣さんという関係。



「いないなら、これから学校でしょ?

作り方教えてあげる!」


「ほ、ホントですか!」


「えぇ!まずはね、自己紹介よ。

そのあと「友達になって!」って言うのよ」



そう自信たっぷりに言って、パチコンと可愛らしくウインクをくれた。


それで友達になれるのか。


ルージュさんから友達の作り方を習得した。



「じゃ、試しにアーサーちゃんでやってみなさい。

あの子はあたしの友達だから…シーファちゃんもあたしの友達っ!」


「い、いいんですか!?」


「うん!友達のぎゅーっ!!」



ルージュさんがハグしてくれた。


お母さんのような温かさ。



人間の友達1号、出来ました。