絆の軌跡




粒々について聞いてみる。



「え…お米のこと?」


「お米…初めて食べました。」



家で育てていたのは小麦だけだったから、お米は食べたことがなかった。



「え、米知らないのか?」


「す、すいません…」



驚く先生。


驚く私。


米食は外の世界では普通らしい。



「シーファちゃん面白いわぁ」


「そ、そうですか?」


「えぇ、とっても。

どこかのお嬢様だったとか?」



キラキラした目で顔を覗き込まれる。

思わず目を反らした。



「ないですないです」

「ないないないない」


「あらそー、アーサーちゃんうるさい!」



楽しく話しているとオムライスを食べ終わっていた。

ごちそうさまでした、と手を合わせる。



何やら言い合っている二人を見ていると、やっぱり親子なのか…なんて思う。


でも、ルージュさんは紫色のウェーブした長い髪、濃い紫の瞳、厚くて艶やかな唇。

一方のアーサー先生は金髪で短く、ところどころ跳ねていて、エメラルドのような瞳。唇も薄い方だ。



髪色も髪質も全く違う。

親子なら髪色くらい似かよる気もする。


でもこの仲良しさ…

あ、もしかして…



「なるほど…」


「何小難しい顔してんだよ。」


「わっ」



頭をわしゃわしゃされる。


お父さんによくやられたな。



「あっ、女の子の髪は命なのよ!

髪型崩さないのっ!!」


「うるせぇ」