絆の軌跡




「注文は?オススメ?肉だけど!!」



何も言ってないのにわざわざオススメを教えてくれる、いい人だ。


勢いに押されて、じゃあそれでとお願いする。



「よしっ!待ってろ!!」



店主はテントの少し奥にある鍋から何かを盛っている。

いい匂いだ。



スプーンを器に入れて持ってきた。



「はいっ、銅貨4枚ね。」


「ありがとうございます。」



レオさんが銅貨と料理を交換。


私は銅貨を持ってない。



「すいません、銅貨持ってなくて…」


「いいよ、これくらい。後で両替行こうね。」


「すみません…ありがとうございます。」



料理に向き直る。



骨付き肉がどーんとはいった豪快なスープ。

透明で肉以外には菜っ葉が少し。


一口飲むと鶏ガラの味が口一杯広がる。

そして熱い。


お肉も食べてみる。

熱い骨を摘まみ、口へ運ぶ。


ちょっとスパイシーで美味しい。



ご馳走さまをして出ると、
店主が「また来いよ!」と言ってくれた。



今度はルティナ達の餌を探す。


あまり広くない街。

すぐに見つかった。



藁を1束、コーンを乾燥させたものを買う。



次は私のご飯だ。



「何でもいいかな?ちょっと時間押してるから」


「はい。」



ロールパンが5個入った袋とチーズを買う。


ついでにそのテントで両替をお願いしてみる。



「両替?いいですよ。

あと3日くらいでここ出るつもりだったの」



金貨1枚を銀貨10枚に、銀貨1枚を10枚に替えてもらった。



「ありがとうございます。」


「いいえ~。」



ひらひらと手を振ってくれる女店主に、手を振り返して歩く。