「おはようシーファちゃん!ぶかぶかねぇ」
「おはようございます。」
ルティナにブラシをかけた後、一度部屋に戻ってまたリビングに戻るとイマナさんが朝食を作っていた。
だぼっとした服を見て、ふっくらとした頬に手を当てて笑うイマナさん。
昨日会ったばかりなのに、今日でもうお別れだ。
「おぉ、おはよう!」
「おはようございます。」
「おはよう、あなた」
レオさんは牛の給餌から帰ってきた。
「ルティナに鞍を着けさせてもらったよ。」
「あ、ありがとうございます!」
イマナさんがスープを盛り、席についた。
「「いただきます!」」
今日はミネストローネとミルクパン。
昨日もそうだったが、イマナさんは料理上手だなと思う。
「ここから一番近いヘルヘイムって街に行くんだけど…治安がちょっと良くないのよね。
だからあなたの長剣は隠した方が良いわ。」
「え…?」
隠すほどの物なのか。
盗られるほどの。
「あの剣の柄についてる宝石はアンデシンっていって、とても稀少なものなの。」
「マントもした方が良いかもな。」
危ないんですか、と訊くと、念には念を入れてだと言った。
なんだか不安が増すが、楽しみという気持ちも生まれて少し自分に驚いた。
きっと寝たら心が落ち着いて来たんだろう。
ヘルヘイムの事をもう少し詳しく訊いてみる。
市場が盛んな街で、旅商人がよく訪れて、建物の大半がテントであるらしい。
いろんな取引がされ、いろんな人がいて、その分悪い人も多いそうだ。
食器を流しに運び、洗う前に街に行く準備をしようと提案された。
イマナさんが剣を黒い布で包み、暗い水色のマントを着けてくれた。
「イマナさん…」
何となく、私の決意を聞いていただこうかな思いまして。
「なぁに、シーファちゃん。」
「私は…もう泣きません。」
「うん。」
「強くなります。」
「うん。」
「イマナさん達が私を助けてくれたように」
「うん。」
「誰にも頼らなくても済むように…」
