「小学校に行くまで息子も外に出たことなかったわ、大丈夫よ。」
「あぁ、いざとなったらここに帰ってくればいいさ。」
優しそうな顔立ちをさらに和らげて微笑む。
「お願いします!」と頭を下げた。
「良かった!じゃあ、明日は街に出てドラゴン便を手配しましょう。」
「ドラゴン便?」
「ドラゴン便は主に引っ越しとか使われるんだ。
馬とかも運べるから遠出に便利だよ。」
「へぇ…そうなんですか」
3人でごちそうさまをした後、さらに話し合いは続く。
「街までは半日掛かるから、馬に鞍をつけた方がいいね。
ルティナはまだ発達途中みたいだから休憩も挟むとほぼ一日がかりだ」
「そうね…明日は朝早いわ!」
スクッと立ち上がって食器を片し始めたイマナさんは、レオさんに風呂の準備をお願いした。
手持ちぶさたになった私はイマナさんに手伝いたいと申し出る。
「明日の準備をしていてね」
やんわり断られて借りた部屋に戻る。
準備なんて特にない。
古剣にたまたま目が行き、剣を磨くことにした。
ポーチから取り出した馬具を磨く布で、隅々まで丁寧に拭く。
しっかり磨くと柄は漆黒で、鍔は何かの紋章のようだった。
飾り紐の埃も払うと、元の蒼が少し戻って来たみたいだ。
鞘の金具の輝きも取り戻し、ボロという印象は消えてくれた。
革は直さなければならないが。
布の方は元々馬具の錆で黒くはあったが、剣の汚れで真っ黒。
こんなに汚れてたのかと驚いた。
『お前の力になるはずだ…』
これにどんな力があると言うのだろう。
剣を鞘から半分くらい抜く。
剣身の窪みが見えた。
何なんだこれは…。
凸凹を撫でながら、想像を膨らませる。
