さて、隠し扉について調べましょう。



鍵をポケットに突っ込み、キッチンの収納を開ける。

ちょっと立て付けが悪くてギィギィと軋む音がした。


鍋とフライパン、保存食を取り出す。


空になった収納に四つん這いで身を滑り込ませる。

暗くて良く見えない。


仕方なくバックで戻ることにした。

テーブルの上にあったランタンに灯を点して、再び収納に潜る。


隠し扉は一番奥の壁の下にあった。

この壁の向こうには浴室があるはずだ。


鍵穴に鍵を差してゆっくり回す。

カチッと解錠された音がする。


両開きの小さな扉を開けると、地下へと続く階段があった。

長い間使われていなかっただろうと思われる階段には、積もった埃の上に真新しい足跡。



お父さんのかな…



狭い入り口に後ろ向きで入る。


ひんやりとした埃っぽい空気


肩越しに自分が立てる高さになったのを確認しランタンを掴んで向き直る。

暗い足元をランタンで照らし、一番下の段まで降りる。


膝についた埃をパタパタと払ってからハァーっと息つく。


物置小屋を出てから嫌なことばかりだ。

もうこれ以上は身も心も持ちそうにない。


無気力になりかけた体に鞭打ち、ランタンを持ち上げた。