「ねぇ、シーファ」 「なぁにおかあさん」 あぁ、あれは六歳の誕生日。 母の作ったケーキを目の前に、そわそわしながら母を見上げる。 「あなたにお願いがあるの…」 何だか悲しそうな笑みを浮かべている。 数秒間私と目を合わせると、不意に向かいにいる父の方に目をやる。 私もつられて父を見た。 真剣な目をしていた。 「シーファ、もし俺達に何かあったら…」