妙な緊張感が辺りを支配している。
結希は話し出す。
「いのちゃん、聞いて。
椎名くんはすごく良い人だよ。
あたし、椎名くんの買い物に付き合ってて
それが良く分かった。
いのちゃんのこと一生懸命に考えてて、
見てるこっちも
ちゃんと考えないとって思うほどだよ。
椎名くんはいのちゃんではない人と
付き合ったりなんかしないよ。信じて」
…結希。
結希の視線は私から離れない。
「結希ちゃんも俺なんかよりすごく良い人だよ。結希ちゃんが本当に木村くんのこと好きなのいのも知ってるよね?」
「うん」
それくらい知ってる。
「俺のためにプレゼントを一緒に選んでくれただけだし、一昨日はたまたま一緒に帰っただけだ」
「うん、椎名くん優しいからあたしの話しをずっと聞いてくれていただけだよ」
…何度も聞いて、そんなことは分かってる。
それに嘘は無いし、その事について否定するつもりはない。
「いのちゃん、誤解だよ」
そう言った結希の唇は少し、震えていた気がした。


