十日目の判決 -完-







「……っ。」


結希の顔はさらに歪んでいく。
唇はぎゅっとしめている。


「椎名、その日。何があったか教えろ」


私は椎名のほうを見て言った。

椎名は眉を八の字にして、申し訳なさそうな表情をしていた。


「……その日は、その日も…」


椎名が話し出そうとした時、
結希が声をあげる。


「あ、あたしと!椎名くんが一緒に帰ったのは、その日を含めてプレゼントのときと一昨日帰ったときの3回だけ!!!その3回しか、椎名くんとは一緒に帰ってない!これだけは信じてっ!」


つんざくような、苦しい声だった。


結希が言うならそうなのだろう。
今さら、何も隠す事は出来ない。


結希の表情を見ると、苦しくなる。


「椎名、本当か?」


私が聞くと椎名は目を伏せて答える。


「ああ、帰ったのは3回。学校ではすれ違ったら声をかける程度だよ。連絡先も交換はしていない。」


椎名の声は静かだった。




どうしよう…。

誰も何も言わない。
静かな時間が少し流れる。