「私はその日、一度家に帰ってから学校の近くに来ていた。学校の前を通ったら校門から2人が並んで出てくるの見かけた。」
兄にスマホを届けた帰りだった。
椎名の仕草を見ていたら、
声をかけるなんてこと出来なかった。
私にははっきりと分かってしまう。
だって、あれはそういうことだ。
私がそこでその場へ出て行ったら、
2人は困るだろ。いや、私は出て行けなかった。
2人を見て、どうしたら良いかわからなかったのだ。
今も、どうすることが一番なのかわからない。
「……」
「……」
結希と椎名は何も言わない。
私が2人を見たのは、ゴールデンウイークが終わってすぐの日だった。
「…2人、浮気しただろ」
もう一度聞いた。
私頭の中はぐちゃぐちゃだけど、
案外、気持ちはすっきりしていた。


