「もうすぐテストかー」 二年の冬、学年末テストが迫った日のことだった。 清水は剣道はうまいけど、あまり勉強は得意じゃない。 私も、どちらかというと勉強よりも体育が好きなタイプだった。 「剣道ばっかしてないで少しは勉強した方がいいよ。もう三年になるんだし」 机に突っ伏していた清水が、クルリと顔だけ私に向ける。 「二宮のくせに偉そーに。 …じゃ、賭けしよーぜ」 「賭け?」 「そ。もし、俺が勝ったら… お前の好きな奴教えて」