「…二宮さん?」 ゆっくり、私の前に立った彼女は、微かに笑った。 「…は、はい」 「そう…。あなたが」 清水のお母さんはしゃがみ込むと、あたしの右手を両手でギュッと握った。 「拓哉ね、家でよくあなたの話をしてた。隣の席に、面白い奴がいるって。 拓哉は、きっと…あなたのことが好きだったんじゃないかな」