初恋は一言から

「おーい、魏ひmゴホッ…ゴホ」

面倒くさいから1発殴った。

誰か確認しなかったけど…ま、注告を無視したから仕方がないよねぇ〜

体を殴った人に向ける。

が、動けない。

かろうじて動くのは腕のみ。

多分上から見たら丸く猫みたいに寝ている感じだと思う。

ため息をつき、腕を使って絡まっている毛布をとる。

相当寝相が悪かったのか…と内心ビビる。

我ながらここまでとは思わなかった。

「魏姫…痛い」

「魅火流⁉︎」

なんとなんとあたしが殴ったのは魅火流だった。

やってしまった。

よりによって重役の魅火流を殴るなんて…

ドンマイ魅火流。

気をつけてね☆

「ごめん。どうしたの?」

「氷瀬乃が…採点終わったから来いって…」

「そう。……今何時?」

「午後9時」

午後9時…?

え、まさかあたし6時間近く寝てたのか。

うん。まさに爆睡。

ま、いっか。

「魅火流、サンキュー。あと大丈夫?」

「うん。大丈夫」

まだ少し顔をしかめている。

完全に治っているわけじゃないんだ。

こんな短時間で治った方がおかしいけど。



「氷瀬乃〜きたよぉ〜」

「ビビった…」

おいおい顔ひきつってるぞ。

シワ増えるよ。

あ、でももうシワがいくつか見えるような気がする。