初恋は一言から

「ち、ちょっと氷瀬乃?あたしここにいていいの?」

なんか向こうから見られたらいけない気がする。

「大丈夫。ここ、マジックミラーだからあっちから僕たちの事は見えてないからね」

そう言ってスタスタと歩き出す。

地下3階とは違って足音が響かない作りになっている。

うるさくなくていい。

少し歩いた先に《試験監督室》という部屋があった。

試験監督ってさっきのテレビに映っていた先生の事か。


ガチャッ


「こんにちは。テストの採点の方はどうだ?」

「「はい順調です。もうすぐ終わります」」

「そうか。よろしく頼む」

あたしはどうしたらいいのかわからずとりあえず1番近くにある椅子に腰掛けた。

その隣に氷瀬乃が座る。

沈黙。

長い沈黙を破るように喋ったのは氷瀬乃だった。

「魏姫、明日から寮に住んでくれ」

「はぁ?」

いや、ありえない。

あの家を出るなんて。

トレーニングもできなくなっちゃうし。

「なんで?」

「そうだな。まずこの学校のしくm「すみません理事長」」

みごとに声がかぶった。

何が言いたいのかわからん。

「どうぞ」

そう言って氷瀬乃に話しかけてきた教師に話を譲る。