初恋は一言から

氷瀬乃、お前って漢字だけ見ると女子みたいだな。

フルネーム聞いたの初めてだ。

前に言ったかも知んないけど。

〈本日は豹羽高校の入学式におこしに……〉

氷瀬乃のどーでもいい挨拶が続く。

あいつどっかの挨拶パクったな。

しかもめっちゃ噛みまくっているーおもしろいー

1人笑いを堪えて氷瀬乃の挨拶を聞く。


〈……以上です。新入生の諸君、入学おめでとう〉

パチパチパチパチ。

拍手がドームに響く。

軽く礼をした氷瀬乃はドヤ顔であたしのことを見てきた。

うわぁ。ムカつく〜

だいたいパクった挙句噛み噛みなのによくそんな顔してられるね。

あ"ーストレスたまるわ。


【新入生代表挨拶。若蛇魏姫さん、お願いします】

ザワザワ。

うん!? なんだなんだ⁉︎

あちらこちらでヒソヒソ声が聞こえる。

“もしかしてあの…”

“まさか。そんなことはないんじゃん?だって…“

ハイハイ。

静かにしてよ。

そんなことを思いながらステージにつながる階段をのぼる。

人の視線が刺さる。

何回も経験してるけど慣れないな。

そんなことを思いながらリズミカルに階段をのぼる。