初恋は一言から

「ねえまさか、魅火流そのコップに口付けてないよね…?」

「つけていましたすみません」

この一言に、ポーっとしていた頭が晴れていく。

魅火流が飲んだのに口をつけて飲んだ。

こりゃあ立派な間接キスだ。

「なんだそんなことか」

「え」

間接キスぐらいで動じてはいけない。

余裕を持っているのがよいのだ。

私は動揺していない。

「魅火流。お前お酒飲むつもりだったの?」

未成年の飲酒は許さないけど。

「あぁ、あれは俺が飲むためじゃないんだ」

「じゃあ誰だよ」

お前のコップを使って飲む奴なんているのか?

そしたらそいつは確信犯だな。

そんなに魅火流と間接キスがしたかったのか。


「あーあたしあたし」

声をした方に振り向くと何とも言えない顔の…