「はあ? お前のサインなんか、いらねーっつーの」 「だってイッシ君…… 実はあたしのファンだったんでしょ?」 あたしがDVDボックスを指さすと。 イッシ君は、一瞬ギクリとしたような顔をしたあと、 「お前じゃねーよ」 と、視線をそらせて、ぽつりと言った。 「あたしじゃないって、どういう意味?」 「俺がそのDVDを買った理由は、お前が出てるからじゃないって意味」