「あのー…… イッシ君、出かけたんじゃなかったの?」 「忘れ物して戻ってきた。 それより、お前、なに勝手に人の部屋に入ってるんだよ」 「あ、ごめん、ちょっと、お部屋の掃除でもと思って……」 「俺の部屋は掃除しなくていいって言ったろ。 それに、そもそもお前、掃除用具何も持ってないじゃねーか。 嘘つくな」 ああ、誤魔化しきれない。 あたしは、その場で、ペコリと頭を下げた。 「ごめんなさいっ! つい、好奇心から入ってしまいました! サインあげるから、許して!」