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翌日、あたしは、あんぐりと口を開けて、そのマンションと見上げていた。


港区の一等地に、ドーンとそびえ立つ高層マンション。


ちょっとイッシ君、君の実家はどんなお金持ちなのよ。

大学生の一人暮らしのために、こんなマンションを用意してあげちゃうなんてさ。


腰がひけつつ、イッシ君のあとについて、エントランスを通り、エレベーターに乗り込む。

イッシ君が押したボタンは、最上階だった。