入ってきた男性を見て。 あたしは、慌ててもう一度、スマホに目を落とす。 そこに立っている男性の顔と、スマホ画面に表示されている法務大臣の顔。 目線を何度も上げ下げして、見比べる。 同じだ…… つまり、この人は…… 「部下が手荒なことをしたようで、悪かったね。 どうしても、早急に君に話したいことがあって。 私は、中村竜之介と言います。」 「法務大臣の……?」 「ああ。そして、中村一志の父です」 「イッシ君の!?」