イッシ君は、あたしの手を取った。 「ブランコ、乗れよ。俺が、いくらでも背中を押してやるからさ」 「イッシ君……」 「こんなに月のキレイな夜に。 イケメンの男友達に、あきるまで背中を押してもらった。 お前のブランコにまつわる思い出は、それに上書きしとけ」 そんな優しいことを言われたら。 またしても、涙目になってしまうじゃない。