「それから……ごめんね」


「何が?」


「あたし、リクやイッシ君にも……
しおりちゃんの対してと同じように、ねたむ気持ちが心のどこかにあったような気がするんだ」


交番に、お母さんとお父さんがすぐに駆けつけてくれたリク。

両親に挟まれて帰っていくリクが、心底うらやましかった。

あんな立派なマンションを与えてくれる裕福な家庭環境のイッシ君が、うらやましかった。


「このひがみっぽい性格、なんとかしないと恋人もできないよね、あたし」


「それ以前に、お前は、物事の表面だけを見るのをやめろよ」


イッシ君は、あたしの手をポンポンとたたきながら言った。


「表面だけって?」


「外側からしか見えないことが全てじゃないってこと」