「あたしね、今、しおりちゃんのこと大嫌いって言ったけど……

本当は、しおりちゃん『みたいな子』が嫌いっていうか……

ううん、嫌いなんじゃなくて、苦手なんだよね。

いや、苦手っていうのも、ちょっと違うかな。

たぶん、本当は、うらやましいんだ。

だから、ねたましいの。

そう、ねたんでるの。

ひがんでるのよ。

性格悪いよね、あたしって」


自嘲気味に笑ってしまう。


「しおりみたいな子って、どういう子?」


イッシ君の声が、子どもをあやすかのような、少し優しい声になっていた。