バイト終了後、大急ぎで着替えたあたしたちは、少し離れた角から、店の入り口を見張っていた。
「なんでぼくが、尾行なんてしないといけないんですかぁ」
リクが、唇をとがらせて文句をたれる。
「何よ、じゃあリクは、愛しのしおりちゃんのイトコであるイッシ君が、浮気女に騙されてていてもかまわないっていうの?」
「そうは言いませんけど……」
「じゃあ、付き合いなさいよ。あたし、前にバラエティ番組で『探偵一日体験』っていう企画をやったんだけどね、尾行は一人でするより、カップルを装った方がいいって習ったのよ」
「そうなんですか?」

