でも、すぐに追いかけてきた彼に呼び止められ、足を止めた。




「ひよ…」




「百河くんはさぁ、なんで私に構うの?やめてよ。」




声が震える。




「そんなこというなよ。俺なんかした?だったら…




「謝ってほしいわけじゃないから。」




再び帰ろうとしたとき、彼が私の腕を掴んだ。




「じゃあなに?言ってくんなきゃわかんねぇよ。」




彼の真剣さは伝わったが、私はそれ以上に感情を抑えるのに必死だった。



目いっぱいに涙を溜めて彼を見上げた。



そんな私を見て彼は私の腕を離した。