「夏海ちゃんか!」

なるほど、と言ったように先輩は頷いた。

「夏海?」
先輩より少し低い声が私を呼んだ。
振り向くとそこには幼なじみの勇人が立っていた。

「勇人、……どうしたの?」
私より身長が高いからかツンとした態度で別にそこにいたから、と答えた。
いつになくムカつく……。
いつもそうだけど、少し身長高いくらいで人を見下ろしたような態度!!!
ムカムカムカ!
先輩や友達の目の前でも変わらないその態度はあまり気に入らなかった。
まあ、もう幼稚園の頃から一緒だったから慣れたっちゃなれたけどね。

「お友達さん?」
優しい声がその場の空気を和らげる。

「あ、夏海の幼なじみの相澤 勇人です。」
「あ〜!!サッカー部の相澤君かな?同じクラスの奴に聞いたことはあるよ!!」

先輩は勇人と話す時も変わらないな…。
先輩を色で表すとしたら透明か、水色、黄色、黄緑…その辺だろう。
本当に見惚れてしまう。