「夏樹〜久しぶりだな」

「大聖!寂しかったんだからね?」

「部活多くてさ、家帰るのも遅くなるし…会えなくてごめんな?」

「ううん、仕方ないよ」


全然仕方なくない。
寂しくて寂しくて…電話やSNSだけの絡みじゃ足りなくて。
そう思ってるのは私だけなのかな?
もしかして好きなのは私だけじゃないのかな…?

なーんてネガティブになっちゃう。
男子校だからって他の子に取られないって訳でも無いし?
不安なんだ…


「不安だったよな?寂しかったよな?…ごめんな」


そう言って優しく私を抱きしめてくれる…

あぁ私は一生この優しさに勝てないな…

この優しさでいっつも私のネガティブはチャラになる。


「もうすぐしたらさ、夏休みだね?」

「ああ、そうだな。どこか行こうな?」

「えっ良いの?部活は…」

「気にすんな、我慢ばっかすんじゃねえよ?」


我慢…言いたいこと言ってないのは、確か。何で分かってくれるんだろう…


「ありがと。海とか〜遊園地とかね!行きたいよね…」

「そうだな、また予定たてとくからな」

「うん、ありがとうね!」

「夏樹…?大好きだよ」


私の手を握って言ってくれた。
心配だった、その言葉を聞きたかったから涙が出てきた。


「うぅ…っ。大聖…不安だったよ…。」

「ごめんな…不安にさせて。これからは気をつけるからな?お前は俺のこと好きか?」

「大好きだよ!溢れ出しちゃうそうなくらいだもん!」

「本当…夏樹はガキみたいだな笑」

「笑わないでよ〜!」

「お前は俺の嫁だからな!絶対離さねえ」

「んんっ、ありがとう」


いつもは滅多にしないキスをサービスしてくれて…私はやっぱり幸せです。