しばらく、沈黙が訪れた。

それを破ったのは、彼だった。


「最後、なんだな。」

とても、透き通った綺麗な声だった。




「うん。」

私は、こう言うことしかできなかった。

その為、また沈黙が訪れる。





「...あのさ、俺、君に会えてよかった。」



そう言うと、彼は私を抱きしめた。

私は、驚いたが、彼を抱き返した。

「...私も。」



彼は、抱きしめたまま、こう言った。

「もし、俺らがもう一度会うことができたら、

その時は、れっきとした恋人になろう。」

人生初の、でも切ない告白だった。



「わかった、約束ね。」

私が答えると、彼が私から離れた。

すると、今度は、顔を近づけてきた。