気がつけば、春休みも最終日だった。

彼とは色々な話をしたし、仲も良くなっていたが、

名前も知らないし、

どの辺に住んでいるのかも知らない。

声も聞いたことがなかった。

それに、春休みが終われば、

お互い忙しくなる。

つまり、図書館には来なくなる、という意味だった。

会えなくなるのかな、と考えながら、

いつもの用に座った。

彼は、また、『おはよう。』と書いて、

やりとりを始めだした。

あまりにも、いつもと同じ感じで始める彼を見て、

彼は私と会えなくなるのどうってことないのかな、

と考えると、だんだん淋しくなっていった。