そして、次の日も彼はいた。

いると聞いていたから、当たり前なのだが、

何故か少しホッとした。

彼のおすすめの本を手に取り、

隣に座ると、また紙を差し出してきた。

『おはよう。』



...そして、またやりとりが始まるのだった。

彼とは、結局毎日話すようになった。

彼は、何度が付き合ったことがあるらしい。

私は、一度もないから、少し羨ましかった。

でも、彼は、今は彼女がいないと言った。

何故か、私は、安心していた。

思い返せば、自分はまともな恋をしたことがなかった。

だから、私は何故安心したのかわからなかった。

いや、わからないと決めつけて、

そのことを考えないようにしていた。