「じゃ、よろしくねえ」


そういって、彼女は去っていく。
私は、一安心した。


これからはじまる恐怖に、気付かずに…


「ねぇ、七島さん」
「…え?」


ふと後ろを向くと、クラスメイトの女の子。
…誰だっけ。
でも、顔だけ見たら怒っているとか
悲しいとかいった様子はない。


「なに?」


それだけのことで安心はできない。
偽ることなんていくらでもできるんだし。
しかし、彼女は変なことを言うどころか


「あの、さ。一緒に帰らない?」


そういったのだ。
どういう意味だろうか?


「別にいいよ」
「そっか、じゃ、いこ」
「うん」


まあ別に何時も1人だしいいか
と思いつつ、OKする。


そして、普通に歩いていく彼女の後ろを歩き始めた。