カフェで働く話を親父にした時は、本当に修羅場だった。

怒り狂った親父は、俺に殴りかかった。

あの時の言葉は、今でも許せない。


『カフェで働くだぁ?!そんなチャラついた職業俺が許すと思うのか?!』


は?チャラついた?

んなわけねぇ。
何にも知りもしないくせして…
楽な仕事なんてひとっつもねぇ。

ずっと我慢してきた。

小さい頃からお前は将来この道場を継ぐんだとか言われてきて。
柔道は、別に嫌いではなかったが、小学生の頃に親友がやっていたミニバスを俺もやりたかった。
だから、中学にあがってから絶対にバスケをやるって決めてた。

珍しく反対しなかった親父。

だがそれには理由があった。

練習が終わってから、それから練習がない日…
無理矢理稽古させられた。

キツさに音をあげるとでも思ったのだろう。

親父の思惑通りになってたまるかと思い
そのまま大学を出るまで両方を続けた。

正直キツかった。

社会人になってからは、とりあえず土日だけ稽古するようになった。
毎週ではあるが、一日中ではない。

でも、いい加減これに縛られることに嫌気がさしていた。


そして、俺はようやくカフェという道に出会った。


あの日から、まともに口をきいていない。
一人暮らしを始めて、親父の顔を見ることもなくなった。

次女の桜姉(さくらねぇ)には、感謝してる。

桜姉の彼氏が婿に来てくれたお陰で

親父がどうにか鎮まったし。

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