勝負を始めて数分後。


いまだ人間布団バサミとして私は耐えていた。


髪はウィンドに乱されてボサボサになっており、もはや人に会える状態ではない。



ーくっ、なかなかやりおるな。



ーふっ、そっちこそ。もう少し耐えれば私の勝ちだね。



ーぐぬぬぬぅ。



ビュウッと強い風が吹いたが、私はまだ押さえる手を離さない。


ウィンドの攻撃パターンもだいぶ読めてきた。


どのタイミングで押さえる力を強めればいいのかわかり始めてきていた。


あと1分というところで、



ピリリリリリ。ピリリリリリ。ピリリリリリ。



部屋に置いていた携帯が鳴った。