シーツがまるで手足をばたつかせているかのように波打ち、私に必死に助けを求めてくる。 ー仕方がない。 あれには毎日お世話になっているし、あれがなければ今日私は畳にじかに寝ることになる。 私は友達との電話も忘れて玄関を出ると、誰にも気付かれることがないことを願いながら布団の救出に向かった。