「いやー、何つうかさ、ワープホールがここに繋がったっつうかさ。」


やけにさばけた口調で意味不明な言葉を連ねる彼女。

ワープホール?
繋がった?
意味はわかる、一応、言っている意味は理解出来る。
出来るけど、出来ないというか。

…ワープホールって、あれか?
机の引き出しから突然こんにちはする水色のロボットが、出来損ないの少年をちょっとスペースなファンタジーに誘ったりする、あのワープホールか?

…いや、まさか。


「…あの、取り敢えず、」

「ああ、そっか。そうだよね。」

「あ、一応わかってるんだ?」


何はともあれ、不法侵入だということを。

よかった、取り敢えずそれさえわかってくれてるなら、すぐに出ていってくれるだろう。
事を荒立てるのはすきじゃない。
おとなしく出ていってくれるなら…


「ごめんごめん、あんた、素っ裸だったよね。」


……あ。


「ぎゃあああああ!!」

「あはははは、気付かなかったんだ?」


どたばたとシャンプー塗れで、出ていく羽目になったのは俺の方だった。