渡したスウェットをもそもそと履きながら、よく晴れた空を窓から見上げるカプリ。


「さっきから何してんの?そこ、腐ってるから危ないよ。」

「本当に金ないんだ。」

「そうだけど、今その話じゃないから。」


窓辺に寄り掛かるカプリを抱えて、近いうち起こるであろう悲劇から救ってやろうとした

そのとき。

みしっ。


「……。」


窓枠がいやな音を立てて、思いっきり、軋んだ。

ああ、やっぱり腐ってる。
この窓、腐ってるよ。
けど、問題はそこじゃない、今の問題は、


「ハーイ、元気か下等生物達!」


…腐ってる窓辺に思いっきり仁王立ちした、初っぱなから失言の彼女ではなかろうか。

…どこから来たんだ。