ガラスのハートは粉々に砕かれ、りかは悲劇のヒロインよろしく我が家の玄関から逃走。
テーブル回りにはお気楽三人組と、バスタブから現れた宇宙人がいる。

何故だ。

今日は快晴。
講義もなくて、俺は暑さゆえに風呂に入っていただけ。
その後に洗濯物をやっつけて、ちょうどよく来るだろう彼女をちょっと心待ちにしていただけだ。
そうだ、それだけだったんだ。

なのに。


「…この仕打ちはなんなんだ…。」


あげっぱなしになっていた手が宙を彷徨い、ぱたっと、気力を失って畳に落とされる。

そんな俺に、元凶であるカプリがひとこと。


「ジョカノ行っちゃったよー?」

「だから…なんでそんなさばけてんの…。」


それしか言えなかった俺。
情けないと、優希がくそもへったくれもなく、笑った。