「……。」

「……。」

「ハロー、あたしカプリ。」

「ちょ、なに自己紹介とかしちゃってんの!」

「しなきゃ失礼かと。」

「そうだけどそうじゃなくて!」


運命のチャイムの直後、いつものごとく普通に許可なく入室してきたのは

俺の彼女、成田りか。

無言の威圧に思わず無言で返したとき、空気を読まない口調で、よりによってカプリが自己紹介をした。

慌てる俺。
へらっと笑うカプリ。
硬直しつつも威圧を増すりか。

ああこれが、噂の三竦みってやつだろうか。

とか、思っていたら。


「あーっ、はじめが女の子連れ込んでる!ちょっとイチコと高田も見てみなよ!」

「マジで?」

「あっ、マジだ!」


よりによって、余計なのまで連れてきていた。

歩く噂拡張マシーンの優希に、やる気のないイチコ、ついでに、顔はいい癖におまけみたいな扱いを受けてる高田…基い、霞が、トーテムポールさながらにドアからにょっきり覗いていた。