真実ー失われた者ー


「美咲は今、ここにはいない。」

そう答えるのが精一杯だった。

「なら上がらせてもらうわ。
別にいいでしょ?」

といい、スタスタとなかに歩いて行った。

そして、美咲の部屋の方へまっすぐ進んでいった。
まるで、美咲の部屋がわかるかのように。

いや、わかっているのだと思う。


「みーつけたっ。
美咲ちゃんだよねっ?私のこと覚えてるっ?」

得意げに言うかれん。

「あの…。誰ですか?」