文化祭当日。

「お帰りなさいませご主人様」
とクラスの女の子の声や
「お帰りなさいませお嬢様」
とクラスの男子の声が飛び交う中、私はじゃんけんで負けメイド服を着せられ恥ずかしくて出てこれないでいる。
「ほーら華留!いつまでそうしてんの?」
莉にはわかんないよ、この気持ち。
莉は細身でモデル体型。そりゃ着こなせる。
私には似合わなさすぎて、

「お帰りなさいませご主人様」
「あのー、華留いますか?」

「華留?あぁ、早坂のことか。早坂ーお客さん」
えっ?今?
うえーん

「ほら!行ってきなさい」
と莉にも背中を押され教室のドアの近くまで行くと...。

「わぁ!祐ちゃん!!ひさしぶりだね!また、金髪?」
金髪をしたアイドルのように顔の整った彼は幼なじみの本条祐(ほんじょうゆう)同じく高校1年で、私立高校に通っている。が、来年の春から私と同じ高校に通うことになり下見に来ていた。

「ひさしぶり、華留。」
いつものようにやさしく微笑む祐ちゃん、

「えっと、席案内するね!」
と祐ちゃんを席に案内すると後ろから
「華留!」
と莉に呼ばれた。

えっ?と振り向くとそこには赤崎先輩。
急いでそばに行く。