服を着たあと鏡を見れば、特別可愛い訳でもない普通の私の顔。
胸元まである緩くパーマのかかった茶色い髪が唯一の取り柄だが、この際切ってしまおうかと考える。
斗真がロングが好きだったから伸ばしたけれど、振られた今、その必要もない。

大体、学園の中でも有名なほど美人な幼なじみがいる斗真が私の告白を受け入れてくれた事も奇跡に近い。
そう考えると私は幸せ者だったのかなと、思うことができる。

そう自分に言い聞かせ、脱衣所を出るとジューと、何かを焼いているような音が聞こえた。