あーちゃん。スタイルいいな。

(皆、細いな…)

見渡す限り、細い足。
私だけ水泳部なのでスク水じゃなくて水泳競技用の水着。

「色気ない…」

あーちゃんが私を見て目頭を押さえている。そんなことないと思いたい…。

「いや、でもこれが一番速く泳げるし、あーちゃんがちゃんとした水着って言ってたから…」

私は水の中だったら時間の有る限り泳ぎたいのとあーちゃんに昨夜
(明日、ちゃんとした水着を着るんだよ!後、LINEしろ!)

とメールが来たのでちゃんとした水着を選んだ。

「まぁ…そこがいいのよね…多分。」

とぶつぶつあーちゃんが言っていると周りの女子が黄色い声をあげる。

「来たねー、愛結知ってる?」

「何?皆スゴいね」

男子達がプールサイドに入ってくると女子の皆が体を隠すように腕を組んだりする。

「男子一番人気は当たり前だけど陽くんで、2位と3位はゴリーと十也君なんだって」

「へー…、って高幡君はわかるけどゴリーが意外だなー」

「そう?この前、また告白されたらしいよ?」

そんな話をしてたからか、わからないけどゴリーが気になってゴリーを探していた。

「あっ」

ゴリー見つけた。
するとすぐに目があった。
よっ、という風に手をあげて笑ってくれた。

「見た?あいつに手、ふったよ」

後ろから誰かわからないけど声がする。

「愛結…気にしなくていいよ、準備体操だし行こう」
あーちゃんは察してくれて助けてくれた。

「ありがとう」

「いいよ、それよりゴリー」
あーちゃんに言われて、ゴリーをもう一度見た。

(どうした?)

ゴリーが口パクでいう。

なんでもないよ、と首を横にふったが、本心は女子がものすごく怖くて無理矢理視線を外した。