「ふぁ〜…。」
「は?ざけんなよ、てめぇ!」
ビクッと体が動いたのが分かる。
そこは誰も通らないような廊下。
私以外校内に居ないような気がする時間帯。
なんだろ ケンカ?
「は!意味不明なんだけど。
おい!ちょっと待てよ!」
あれって…蓮君⁈
あれ?でも蓮君は…
そんな呑気に考えていると電話が終わったのかこっちを振り向き…
「なんだ、お前。」
お、お前?
聞き間違い…だね!うん、
「何、じっと見ないでくれる?
気持ち悪い。」
「きも⁉︎」
「は!何?自分の事可愛いとか思ってんの?あいつらみたいに。」
ん?
「あいつらって…誰?」
「……そういえば今朝のドアのすんげー邪魔になってた女子?」
「邪魔って…そんなに言わなくても…」
蓮君って…こんなキャラだったっけ?
もうちょっと爽やかな感じの…。
「あー、お前誤解すんなよ?
俺、お前らが思ってるような奴じゃないから。」
「へ?」
「お前ら、よく俺の事爽やか王子♡とか言ってるけど…それ違うって言ってんの」
「で、でもなんで?そのままの蓮君でも受け入れてくれると思うけど…」
「まぁ、俺は顔いいからな。
でも猫かぶってる方が楽になってきたんだよね。」
「え?」
「もちろん、最初はこんな素の状態だったんだけど…皆に怖がられてねぇ。
んで、爽やかキャラにしてみよーと思ったわけ。」
「は、はぁ。」
「ところでお前1人暮らし?」
「え?そうだけど…」
「よし、決めた。
今日からお前ん家に住むから。」
「は?」
「は?じゃねぇよ。お前の家に住むって言ってんの。」
「いやいや、ちょっと待ってよ。
いきなり言われても困るし。第一男子とって…」
「何?別にそういう事しないよ」
「違っ!そうだ!部屋無いし!」
うんうん、部屋なかった!
本当は一つ使ってない部屋あるけど…。
「は?じゃあ、お前の部屋で一緒だな」
「はぁ?ていうかなんでもう一緒に住む事に…」
私まだいいよとか言ってないし!
「だって、俺の素、知ってる女子お前だけだし」
「んなの知るかぁ!」


