《キャーーーー!!!》

「ん?」

「どした?凛花。」

「蓮君よぉ!」

「「え?」」

蓮君?誰だ?
聞いたことない名前……。

「何?楓はともかく美織知らないの?」

「凛花、俺の扱いひどい…」

「知らないけど…」

「あの蓮君だよ⁈入学して早々学園の王子になったの!」

「学園の王子?なにそれ」

は?みたいな顔で自慢するように…
学園の王子ってなんなの?

「学園の王子とは…。」

あ、出た。
凛花はそういう事に異常に詳しい。
そう、恋愛とかそういう事に。

「あの、ちょっとどいてもらえるかな?
教室入りたいんだけど…」

「へ?」

この人が蓮君とか言う人?
確かにかっこいい!
それに何⁈この爽やか笑顔!

「ごっごめんなさい!」

「クスっ…可愛いね君達…」

そう言いながら私のすぐ隣を通り過ぎて行った。
彼が通り過ぎると…いい匂い……と思った途端…

「キャーー蓮くぅーん♡」
「待ってよぉ〜♡」

出た。少女漫画でよくあるやつ。

「キャーー!やばい!やばかった!」

「むぅ…凛花!蓮君と俺!どっちが好きなの!」

あー、やっぱり、楓君はヤキモチ焼きだもんなぁ。

「はぁ…、楓に決まってるでしょ?
何バカな事言ってんの」

そう凛花が言った途端、
楓君の顔はパアッと明るくなった。

「凛花大好き!」