-ななみside-


「ごめんね…」




小さい声でそれだけいって、屋上から階段を駆け下りる。



私はなんでこんなに走ってるの?



どうしてこんなに、翔に会いたいと思うの?




『好きなんでしょ?』




ひろくんに言われた言葉が、頭から離れない。





そうか。



そうだったんだ。



近すぎてわからなかった。



私、翔が好きなんだ。



そう思ったら、ますます会いたくなって、教室に向かう足が速くなった。