何もなかったかのように、教室に戻り授業を受けた。





そして放課後。



なぁちゃんを屋上に呼び出して、ケジメをつけに行った。



4時40分。



ふっかと同じように屋上に現れた。




「ひろくん。」




名前を呼ばれた俺が微笑むとなぁちゃんもふわっと笑う。




「待ってた。」




やっぱりこの笑顔を離したくないと思う自分がいる。



でもだめだって言い聞かせて、本題に移った。




「なぁちゃん。ふっかと仲直りしてきな?…好きなんでしょ?教室にいるから。行っといで。」




辛い顔は見せたくなくて平気なフリして少しだけ笑ってみせる。




「でも私はひろくんが




「いいよ。最初からわかってた。

気づいてないみたいだったけど、ふっかのこと好きなんだなって。ふっかだって同じだよ。あいつ、わかりやすいから。

…行ってきなよ。ふっかのとこ。俺はいいから。」




「でも…」




それでも動こうとしないなぁちゃんに俺は声をあげた。




「いいから行けよ!」




俺の声に肩がビクッってあがって、でもすぐに小さい声で




「ごめんね…」




って言って教室に向かって走っていった。



悔しいのに、悲しいのに、これでよかったんだって思ってる。



なぁ、ふっか。



俺のしたことは間違ってなかった?



だったらいいな。