「そういえば、水澤の隣にいる子って2組にきた転校生?」

「そうよ。新嶋 乃愛って言うの。ちっちゃくてかわいいでしょ?」

ドキッ!!

裕太くん。思い出したかな??

「ふーん。はじめまして。生徒会長の相田 裕太。生徒会の水澤は、うるさいと思うけど仲良くしてやってくれ。」

「はぁ?うるさくねーし。ね?乃愛?」

真生の声なんて聞こえなかった。
裕太くん。さっきなんて言った?

ーはじめましてー

ねぇ。はじめまして。じゃないよ。
久しぶり。だよ?

覚えてないの?

どうして??

私に言いたいことあるんじゃないの?

私、この5年間。君のこと忘れられなかったのに。

君は私のこと忘れたんだ。

気がつくと涙が頬を伝っていた。

「乃愛!?どうしたの?具合でも悪い?」

ごめんね。真生。
涙が止まらない。

「ちょっとしんどいから保健室いってくるね。」

「ついてくよ??」
真生が心配そうに言った。

本当にごめん。 今は、一人でいたいの。

「大丈夫。ありがとう。」

そう言って私は逃げ出した。

彼の前から。 辛い事実から。