まず、この手帳の存在自体を知られたくは無かったのに。 「見間違いなわけ、ないでしょ?」 香月くんが私の目を見て言った。 「見なかったことにして」 これ以上問い詰められても困るので、私はそう言い捨ててその場を去った。