永遠の絆

煌side

《理事長室》


「急に呼び出して何のようだ?」


母親の理事長にいきなり呼び出された俺はソファーにもたれ掛かりながらそういった


「全くしっかりしなさい!折角これ渡そうとして呼び出したんだから」


母さんはそう言って一冊のファイルを俺に手渡した

ファイルの内容は・・・


「冴島組の資料?」

「政府に素性を調べろって言われてた奴よ!本当にもう」


あ、それか


「鳳王の総長なんだからね」

「分かってるよ」


鳳王は代々政府に力を貸していて
それで色々と大目にみてもらっている

黒と判断した族や組は俺達が始末する
そういう契約らしい

これは”表”向きの俺
普通これが裏だよな・・・

もう一つの俺は・・・酷く残酷だ

母さんはこの俺しか知らない

知ったら母さんが悲しむと思うから


「冴島組はギリギリセーフってとこか?
まだ少し様子を見る」

「あなたの仲間は情報専門がいないの?」

「知り合いはいるけど仲間じゃねーから」


頼りはしない


「そう、いいわ。もう戻ってよろしい」

「母さ・・・理事長、今日は機嫌がいいな」

「良いことあったからね」


とんでもないことだと俺は思うが


「じゃぁ俺は失礼します」


一礼して俺は理事長室を後にした


「母さんって呼びたいのよね、ちゃんと・・・
ごめんね、煌」


そんな弱々しい母さんの呟きは聞こえなかった